ベネッセグループは、企業理念である「よく生きる」に基づいて、「人を軸」とした事業を展開してまいりました。それらの事業を支え、社会課題の解決につなげるためには、さまざまな考えや価値観を持った多様な人財が、個性や能力を十分に発揮し、活躍できる環境が重要です。
自分らしくイキイキと働くことができ、一人ひとりが個性や多様性を強みとして活かすことができる組織の実現のために、「ベネッセグループ人権方針」に加え、ダイバーシティ、エクイティ&インクリュージョン( DE&I )を推進する取り組みの姿勢と意思を「ベネッセグループ DE&I方針」として示し、活動を推進しています。
■Diversity(多様性)
■Equity(公正性)
■Inclusion(包摂性・共生)
ベネッセグループは、企業理念「よく生きる」に基づいて、人の可能性を信じ、誰もが一生成長でき、自分らしく生きられる世界の実現に取り組んでいます。その実現のためには、事業を行う現場において個人が持つ多様な価値観や経験を尊重し、それぞれの個性を活かすことができる環境が重要であると考え、「ベネッセグループ DE&I方針」を策定します。
この方針は、ベネッセグループのすべての役員と従業員に適用されます。私たちは、多様性を尊重し支え合い、一人ひとりが自分の存在を認められていると感じられる、よりよい未来を作りだすことを目指しています。そのために、人の成長を喜びあえる、エクイティ(公正性)とインクルーシブ(包摂性・共生)が実現した風土を醸成し、持続的な成長を続けてまいります。
私たちは、意欲と能力のある女性社員の活躍を支援する職場環境づくりを推進し、グループ全体に広げていきます。経営幹部の女性比率の目標を掲げることやパイプラインの構築などの具体策を推進します。
長く働き続けることができる職場づくりを推進することにより、法定雇用率の達成や雇用の質の向上を実現します。根幹の考え方として、障がいのあるなしに関わらず、それぞれの能力・適性を尊重し、やりがいを持って能力を発揮でき、快適で生産性の高い職場づくりに努めます。
超高齢化という社会課題に対し、シニア世代が活躍でき、介護と両立しやすい環境の実現に取り組んでいます。具体的には、正社員の定年制度の延長(※)や、「ベネッセ健康宣言」による健康促進、「仕事と介護の両立支援セミナー」の開催など、働き続けるための支援を行っています。
誰もが働きやすい職場を目指して、全従業員向けの「LGBTQ研修」の実施や、社員向けに年1回行う「ダイバーシティDAY」における情報発信などを行っています。また、社内にとどまらず、自社メディアを通じて、多様な価値観、多様な幸せの形を社会に発信することで、社会全体での理解が進むことを目指しています。
※ 2023年現在は、ベネッセコーポレーション、ベネッセスタイルケアのみ。
ベネッセグループは、「Beneesse(よく生きる)」というフィロソフィーのもと、人々の向上意欲と課題解決を生涯にわたって支援する企業グループとして、挑戦と進化を続けています。
加速する少子化、格差の拡大、急速に進む高齢化、テクノロジーの変化など、社会は大きく変化しています。その中で、社会に対して価値を創造し続けていくためには、「自分たちは何のために事業活動をするのか(=パーパス)」という原点に立ち返り、社員一人ひとりがお客さまと社会の変化を捉え、挑戦し続けることが重要と考えています。
2023年2月、ベネッセグループのパーパス(存在意義)「誰もが一生、成長できる。自分らしく生きられる世界へ。ベネッセは目指しつづけます。」を公表しました。この、「自分らしく生きられる世界」には、まさにDE&Iの考えが含まれています。このグループパーパスの実現に向けては、多様なお客さまに対応できる多様な人財の存在が不可欠です。
DE&Iの活動としては、グループ全体で2025年までに管理職の女性比率30%を達成することで、意思決定プロセスにおける女性の参画を拡大する活動を推進しています。また、2021年からスタートした社員提案制度「B-STAGE」では、新しい価値創造に向けた経営の仕組みとして定着し、多様性を活かしたさまざまなアイデアが集まってきています。
これらの活動を支える体制として、当社ではサステナビリティ推進委員会を設置し、代表取締役社長や常勤取締役を委員とした経営メンバーで、社会課題に対する具体的な計画や達成目標を策定し取り組んでまいりました。さらに専門部署である「ダイバーシティ推進部」を中心に、全従業員に向けた研修や「ダイバーシティDAY」などの発信の機会を提供することで、個々の違いを認め、互いに支え合う風土づくりを進めています。
私たちはこれからも、なくてはならない企業グループであり続けるために、お客さまやステークホルダー、従業員も含む、誰もが「自分らしく生きられる世界」の実現に向けて、DE&Iを力強く推進してまいりたいと思います。
株式会社ベネッセホールディングス
代表取締役社長 CEO
小林 仁
ベネッセホールディングス グループ人財本部がグループ各社の人財関連部署と連携し、各社における活動を統括、支援しています。 各社の人事責任者が参加するグループ人事責任者会議を通じて、方針や課題について定期的に協議し、重要テーマについては、CEOを委員長として、社内取締役、常勤監査役で構成されるグループ人事委員会にて報告・審議を行っています。また、2022年度からは女性活躍やダイバーシティ推進に責任を持つ部門として「ダイバーシティ推進部」を設置し、ダイバーシティに関する意識調査やLGBTQ相談窓口の設置、従業員向けの研修などを進めています。
また、障がい者雇用も積極的に進めており、ベネッセホールディングス、障がい者雇用を目的とした特例子会社であるベネッセビジネスメイト、およびグループ各社が連携して雇用実行体制を構築しています。
部門 | 役割 | 担当業務 |
ベネッセホールディングス人事部 | グループの障がい者雇用責任部門 |
|
---|---|---|
(株)ベネッセビジネスメイト ※障がい者雇用推進本部設置 |
グループ会社障がい者雇用事務局 雇用・定着支援部門 |
|
グループ各社 | 各社における障がい者雇用担当 |
|
ベネッセグループはダイバーシティの取り組みの1つとして「女性活躍推進」に取り組んでいます。
主要グループ会社の1つであり、教育を主要事業とするベネッセコーポレーションでは、男女機会均等法施行前の1980年代から男女均等処遇を貫いており、報酬や研修制度も男女の区分なく、意欲と実力があればだれでも活躍できる組織風土が根付いています。出産・育児休暇や時短制度などの制度も1990年代から導入しており、現在は一人ひとりの人財が、自分のワークとライフを自分でマネジメントし、充実させていくための裁量と、制度を完備しています。同社の管理職における女性の割合は2024年4月時点で33%となっています。
出産・育児支援などを含む、ベネッセコーポレーションのワークライフマネジメントに関する各種取り組み、制度に関しては以下よりご確認ください。
同じく主要グループ会社であり、介護・保育を主要事業とするベネッセスタイルケアでは、全社員の女性比率が6割超で、高齢者向けホームのホーム長や保育園の園長としても女性が多く活躍しています。さまざまな職種・雇用形態の女性従業員が活躍しており、ご自身の希望勤務条件と受け入れ先のニーズが合えば、ライフステージに合わせた多様な働き方も可能となっています。保育園に子どもを預けながらフルタイム勤務する正社員を支援する「保育手当」や、子どもが小学校3年生まで取得可能な「育児時短勤務制度」は導入以降、利用者が年々増加しています。
出産・育児支援などを含む、ベネッセスタイルケアのライフステージをサポートする各種取り組み、制度に関しては以下よりご確認ください。
今後、2025年度までにベネッセグループ全体で女性管理職比率30%以上を目指し、各社の人財パイプラインの設計・研修を進めていきます。
(3月期)
測定指標 | 目標 | 達成状況 | |
---|---|---|---|
2023年 | 2024年 | ||
女性管理職比率 (主要会社) |
ベネッセコーポレーション:39% | 35% | 33% |
ベネッセスタイルケア:37% | 33% | 33% | |
女性業務執行取締役人数 (ベネッセホールディングス) |
1名 | 0名 | 0名 |
(各年4月時点/正社員)
2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
男性 | 女性 比率 (%) |
男性 | 女性 比率 (%) |
男性 | 女性 比率 (%) |
男性 | 女性 比率 (%) |
男性 | 女性 比率 (%) |
||
女性 | 女性 | 女性 | 女性 | 女性 | |||||||
ベネッセコーポレーション | 従業員数 | 1,007 | 53 | 1,087 | 53 | 1,127 | 52 | 1,173 | 52 | 1,651 | 48 |
1,152 | 1,218 | 1,220 | 1,259 | 1,544 | |||||||
(内:課長層) | 134 | 35 | 149 | 35 | 157 | 35 | 143 | 38 | 185 | 36 | |
73 | 82 | 85 | 89 | 103 | |||||||
(内:部長層) | 41 | 35 | 47 | 33 | 67 | 31 | 71 | 29 | 72 | 27 | |
22 | 23 | 30 | 29 | 27 | |||||||
役員 | 12 | 14 | 11 | 15 | 9 | 10 | 13 | 13 | 13 | 13 | |
2 | 2 | 1 | 2 | 2 | |||||||
ベネッセスタイルケア | 従業員数 | 3,438 | 64 | 3,597 | 64 | 3,585 | 64 | 3,624 | 64 | 3,628 | 64 |
6,008 | 6,267 | 6,430 | 6,521 | 6,506 | |||||||
(内:課長層) | 305 | 39 | 317 | 37 | 329 | 37 | 340 | 36 | 341 | 37 | |
191 | 190 | 190 | 194 | 198 | |||||||
(内:部長層) | 85 | 20 | 87 | 17 | 86 | 20 | 87 | 22 | 90 | 20 | |
21 | 18 | 22 | 25 | 23 | |||||||
役員 | 9 | 18 | 9 | 10 | 9 | 10 | 8 | 20 | 8 | 20 | |
2 | 1 | 1 | 2 | 2 |
(各年3月期)
2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
休職 開始者数 |
復職 者数 |
休職 開始者数 |
復職 者数 |
休職 開始者数 |
復職 者数 |
休職 開始者数 |
復職 者数 |
休職 開始者数 |
|
ベネッセコーポレーション (正社員、特定職社員、契約社員) |
56 | 57 | 52 | 59 | 76 | 85 | 80 | 84 | 123 |
ベネッセスタイルケア (正社員、契約社員、準常勤スタッフ) |
267 | 236 | 252 | 232 | 301 | 225 | 307 | 267 | 312 |
(各年4月時点)
2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | |
---|---|---|---|---|---|
ベネッセコーポレーション (正社員、特定職社員、契約社員) |
76 | 50 | 53 | 58 | 41 |
ベネッセスタイルケア (正社員、契約社員、準常勤スタッフ) |
230 | 280 | 280 | 290 | 299 |
ベネッセグループでは、従業員が育児休暇をより柔軟に取得できることで、男女ともに仕事と育児をうまく両立できることを目指しています。ベネッセコーポレーションでは一般育休のほか、男性育休取得制度として5日間給与を100%支給するなどの独自の産後パパ育休制度を設けています。
また、ベネッセスタイルケアでは、法令で定められている育児休業制度のほか、配偶者の出産時に取得ができる特別有給休暇を2日間設けるなど、仕事と育児の両立を推進しており、従業員への個別周知・意向確認等を通じて、年々取得人数も増加しています。
今後も引き続き、従業員への制度の周知徹底を図るとともに、事例紹介などによる心理的安全性を確保したうえで、積極的な育児休業の取得促進に向けた働きかけを行います。
(各年3月期(%))
2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | |
---|---|---|---|---|---|
ベネッセコーポレーション (正社員、特定職社員、契約社員) |
62 | 49 | 51 | 51 | 66 |
ベネッセスタイルケア (正社員、契約社員、準常勤スタッフ) |
50 | 58 | 49 | 58 | 65 |
男女賃金差異については、上級管理職における女性比率の低さによるものと分析しています。ベネッセでは、報酬や研修制度など、男女の区別なく、意欲と実力があればだれでも活躍できる風土が根付いており、この強みを活かしながら、上級管理職における女性比率を従業員全体の女性比率に近づけていけるよう、各社が目標を持ち、女性管理職比率のモニタリングや幹部パイプライン強化に向けたワークショップを展開するなどの施策に取り組んでまいります。
(3月期(%))
2023年 | 2024年 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
正規雇用 | パート・有期 | 全労働者 | 正規雇用 | パート・有期 | 全労働者 | |
ベネッセコーポレーション (正社員、特定職社員、契約社員) |
85 | 88 | 71 | 88 | 91 | 77 |
ベネッセスタイルケア (正社員、契約社員、準常勤スタッフ) |
94 | 109 | 91 | 94 | 109 | 92 |
ベネッセグループでは、障がいのあるなしにかかわらず、それぞれの能力・適性にあわせて能力を発揮しやりがいをもってイキイキ働ける職場を整備しています。その中で、積極的に障がい者の雇用も進め、コンプライアンス(法定雇用率のクリア)を高いレベルで実現し続けるとともに、ベネッセグループ全体で多様な人財を受け入れられる風土、障がい者雇用もあたりまえになっている状態を目指しています。
2005年、ベネッセグループの障がい者雇用を目的とした特定子会社であるベネッセビジネスメイトを設立し、ベネッセグループ各社での障がい者雇用を促進しています。さらに、2016年には新たに就労継続支援A型事業所として事業に取り組むベネッセソシアスを設立し、グループ内でのさらなる雇用を創出しています。
ビジョン | ベネッセビジネスメイトは、障がい者雇用の特例子会社としての役割を果たしながら、その事業領域において市場競争力をもつ自立した会社となり、ベネッセグループや社会にとってなくてはならない存在となることを目指す。また、ベネッセグループ障がい者雇用支援の役割も果たしていく。 |
---|---|
役割 |
|
ベネッセホールディングスは障がい者のインクルーシブな社会進出を推進する国際的な活動である「The Valuable 500」に賛同し、2021年3月にグループとして署名を行いました。ベネッセグループはサステナビリティビジョンのもと、「The Valuable 500」が提唱する「障がい者が社会的活動に参加し活躍できる社会づくり」を目指して活動を進めています。詳細は以下をご参照ください。
障がい者の雇用の促進及び雇用の安定に関する取り組みの実施状況などが優良な中小事業主を厚生労働大臣が認定する制度。ベネッセビジネスメイトは障がい者雇用を拡大するための職域開発や業務改革、働きやすい環境や風土づくり、やる気が出る制度や一人ひとりの社員をサポートする体制などが評価され、2021年11月に認定されました。
【ベネッセソシアス大田センターが「東京都認証ソーシャルファーム事業所」の認証を取得】
ベネッセソシアスの大田センターが、東京都の条例に基づく「東京都認証ソーシャルファーム」に認証されました。東京都認証ソーシャルファームとは、自律的な経済活動のもと、障がい者、ひとり親の方、ひきこもりを経験された方など、就労に困難を抱える方を全従業員の 20%以上雇用する社会的企業です。
ベネッセソシアスは、2016 年の設立以来、福祉的就労の領域で障がい者の雇用拡大に取り組んできました。就労継続支援 A 型事業所として、通所者それぞれの特性にあった支援をすることで、働く意欲や能力を高め、自立を促すことをミッションとしています。今回、認証を受けた大田センターは、ベネッセソシアスが設立以来、継続して取り組んできた「自立機会の提供」への新たなチャレンジとして、ひきこもりを経験された方やシングルマザーなど、障害者手帳は持たないものの、就労への困難を抱える方々の雇用に取り組みます。
ベネッセグループ人権方針では、
「多様性を尊重し、 国籍・人種・民族・宗教・思想・性別・年齢・障がい・性自認・性表現・性的指向・雇用形態による 差別や人権の侵害を行いません」「職場内においても多様性も尊重し、自分らしさをお客さまをはじめとするステークホルダーの『よく生きる』のために発揮しながら、自らの責任を全うします」と定めており、方針に基づいたダイバーシティ活動の一環として、LGBTQに関しても取り組みを進めています。
今後も、社員の声を活かしながら、LGBTQに関する制度の検討やさらなる理解浸透などに取り組み、あらゆる個人がイキイキと働ける環境づくりを目指します。
専門相談員が相談に応じる外部窓口であり、社内に知られることなく相談が可能な環境を整えています。匿名相談やLGBTQ当事者以外の相談も可能です。
グループ全従業員および管理職、採用担当者を含む人事部門担当者に対し、それぞれに応じた内容のLGBTQに関する研修を実施しています。
ジェンダーに関わらず利用できるトイレを社屋各所に設置しています。
LGBTQをテーマとした社外イベントへの従業員への周知や参加支援、ならびにグループ各社への意識喚起の発信をしています。
ベネッセコーポレーション、ベネッセスタイルケアは、正社員定年制度を60歳から65歳に延長しており、ベネッセスタイルケアでは3,000人以上、ベネッセコーポレーションでは約120人の60歳以上の社員が勤務しています。また、企業理念「Benesse=よく生きる」のもと、社員とそのご家族の健康維持向上に努める「ベネッセ健康宣言」を2018年に発信し、会社・社員・健保が一体となって健康づくりに取り組んでいます。
ベネッセグループでは、さまざまな地域での事業展開に伴い、多様な国籍の従業員を雇用しています。ベネッセコーポレーションでは、教育事業の拡大に応じて東アジアを中心に、人財の採用・育成を行い、現地での雇用創出を通じて、その地域の社会・経済の活性化に貢献しています。
倍楽生商貿(中国)有限公司 | 1,099 |
---|---|
広州倍楽生商貿有限公司 | 125 |
PT. Benesse Indonesia | 56 |
倍楽生教具技術諮詢(深セン)有限公司 | 45 |
Benesse India Private Limited | 8 |
Benesse Hong Kong Co., Ltd. | 5 |
最終更新日:2024年08月01日