ベネッセグループは、SDGs目標4番の「教育」に取り組むことで、SDGsが目指すすべての目標に寄与することを目指しています。環境への取り組みにおいては、お子さまの発達段階に応じた環境教育サービスを提供し、気候変動と生物多様性への理解と、対策へのアクションを推進しています。また、自社の脱炭素化に向けてのGHG(温室効果ガス)排出量削減については、2030年目標、2041年目標、2050年目標を設定し、脱炭素化移行計画を推進しています。
2019年には、日本国内の教育事業者として初めてTCFDの提言に賛同を表明しました。国内教育事業について、TCFDの提言に沿ったシナリオ分析を実施し、気候変動によるリスク・機会の事業への影響分析を深化しています。現在は、介護・保育領域と塾・教室事業についてもTCFD提言に基づく情報開示を行っています。
また気候変動と密接な関係のある生物多様性への取り組みとして、2023年にTNFDに賛同し、TNFDフォーラムに参画、TNFDアーリーアダプターに登録しました。私たちは、パリ協定の目標に沿い、脱炭素社会・生物多様性の回復の実現にむけて積極的に政策提言を行っていきます。なお、積極的な気候変動への対応を行う企業として気候変動を否定、または気候関連規制に反対するロビーグループへの資金提供は行っていません。
「未来からの留学生である子どもたちに美しい地球環境を残す」ことを目指し、これらの活動に取り組んでまいります。
ベネッセグループの環境方針に基づき、環境教育を通じた気候変動への理解・対策、および自社における脱炭素化移行計画を推進しています。
以下の体制により、気候変動をはじめとするサステナビリティ・ESGへの取り組みを推進しています
ベネッセグループでは従来より統合報告書やCDPなどで気候変動に関する情報開示を行ってきましたが、2019年に日本国内の教育事業者として初めて「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に賛同を表明したことを機に、気候変動によるリスク・機会の事業への影響分析を深化しました。自社に影響のあるリスクと機会について、発生確率と影響度の2軸から分析を行っています。
複数のシナリオ分析を行った結果、移行リスク・物理リスク・機会について、重要度(大・中・小)に分けて、以下のとおり評価を行いました。
上記の検討をした結果、以下の戦略および取り組みを策定、遂行しています。
国内教育領域における戦略・取り組みの詳細は以下も併せてご参照ください。
複数のシナリオ分析を行った結果、リスク・機会について、重要度(大・中・小)に分けて、以下のとおり評価を行いました。
上記の検討をした結果、以下の戦略および取り組みを策定、遂行しています。
介護・保育領域における戦略・取り組みの詳細は以下も併せてご参照ください。
ベネッセホールディングスは、当社グループ全体のリスクマネジメントおよびコンプライアンスの推進を目的として、リスク・コンプライアンス委員会を設置しています。委員長はリスクマネジメントおよびコンプライアンスを統括するCLRO(Chief Legal and Risk Officer)が務め、CEO、CXO、主要子会社であるベネッセコーポレーション社長、ベネッセスタイルケア社長およびこれらの会社の事業責任者等が参加しています。同委員会は、人財リスクや情報セキュリティ、BCPなどのサステナビリティ関連リスクを含む、グループ各社における各種リスク評価の結果を集約し、グループの横断的なリスクへの対策立案と推進管理を行い、その結果を定期的に取締役会に報告し、必要な指示を受けています。さらに、人権、環境に関しては、グループ各社における詳細なリスク評価をサステナビリティ推進委員会にて実施をしており、集約した評価に基づく対策立案と推進管理を進め、結果を取締役会に報告・提言しています。
また、主要子会社のひとつであるベネッセコーポレーションにおいては、ISO14001の認証を2004年より継続しており、そのプロセスの中でリスク管理をしています。具体的には、事業部ごとの顧客や事業ステージに沿って毎年各部計画を立案し、GHG排出量削減を含む環境負荷削減と環境教育の推進を行っています。また全社員にむけてWEB環境研修を実施し、社員の意識向上も図っています。この活動の一環として、毎年社長へのマネジメントレビューも実施しております。
スコープ1(ベネッセ自らがガスなど燃料を燃焼して排出する部分)およびスコープ2(自社の事業所の電気・熱・蒸気の使用による排出)について、従来目標からさらに引き上げました。2021年5月にSBTi(Science Based Targets initiative)より認定を受けた「Well-Below2℃水準」目標を「1.5℃」目標に更新し、再認定されています。また、スコープ3(ベネッセのバリューチェーンからの排出)に対しては、2℃目標に沿って、2018年を基準年とした2030年、2050年に向けた削減目標を立てています。
<ベネッセコーポレーション>
●スコープ1・2とスコープ3の削減目標
各年3月期
毎年※ | 2030年※ | 2041年 | 2050年※ | |
---|---|---|---|---|
2018年を基準としたスコープ1・2の削減率 | 4.4% | 52.8% | 100% | 100% |
※削減目標はSBTi認定済
【改定日:2022年9月29日】
各年3月期
毎年 | 2030年 | 2050年 | |
---|---|---|---|
2018年を基準年としたスコープ3の削減率 | 1.23% | 14.8% | 39.4% |
2℃目標SBTi認定済み
<ベネッセグループ>
●スコープ1・2の削減目標
各年3月期
2030年 | 2041年 | |
---|---|---|
2022年を基準としたスコープ1・2の削減率 | 42.4% | 100% |
ベネッセコーポレーションは、CO2排出量実績の信頼性向上のため、スコープ1およびスコープ2とスコープ3のうちのカテゴリー1(購入した製品・サービス)、2(資本財)、3(燃料およびエネルギー関連活動 ※スコープ1,2に含まないもの)、4・9(輸送・配送 上流・下流)、5(事業から出る廃棄物)、6(出張)、7(雇用者の通勤)、11(販売した製品の使用)、12(販売した製品の廃棄)について、ソコテック・サーティフィケーション・ジャパン株式会社による第三者検証を受けています。2022年からはGHG排出量に加え、エネルギー使用量、水使用量、廃棄物排出量についても検証の対象に加えています。
また、ベネッセグループにおいても、スコープ1およびスコープ2について、ソコテック・サーティフィケーション・ジャパン株式会社による第三者検証を受けています。
●国連グローバルコンパクトへの参加
国連の提唱する「人権」「労働」「環境」「腐敗防止」に関する10原則からなる「国連グローバル・コンパクト(UNGC)」に賛同し、2010年3月に署名するとともに、日本におけるローカルネットワークである「グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)」に参加しています。
●気候関連財務情報開示タスクフォース「TCFD」に賛同
金融安定理事会(「FSB」)により設置された「気候関連財務情報開示タスクフォース(The Task Force on Climate-related Financial Disclosures「TCFD」)」の提言に、パリ協定を支持するため、日本国内の教育事業者として初めて、2019年7月に賛同を表明しました。
●温室効果ガス排出量削減目標においてSBTイニシアティブ認定を取得
ベネッセコーポレーションは、SBTイニシアティブより、当社の2030年・2050年に向けた温室効果ガス排出目標が、パリ協定における「世界的な平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保つとともに、1.5℃未満に抑える」ための科学的な根拠に基づいた目標であると承認され、2021年5月に同イニシアティブからSBT認定を取得いたしました。
さらにスコープ1・2については、「1.5℃目標」に更新し、SBTiに再認定されています。スコープ3については2℃目標で設定しています。
2018年を基準年とし、以下の削減目標を掲げています。
●経済産業省GX(グリーントランスフォーメーション)基本構想への賛同とGXリーグ参画
ベネッセコーポレーションは、パリ協定に整合する活動として「世界全体でのカーボンニュートラル実現のための経済的手法等のあり方に関する研究会」(座長:大橋 弘 東京大学公共政策大学院 院長)における議論の成果として取りまとめられたGX基本構想に賛同し、GXリーグに参画しています。
●国土交通省「ホワイト物流」推進運動への賛同
ベネッセコーポレーションは、持続可能な物流の実現に向けた自主的な活動として、国土交通省・経済産業省・農林水産省が提唱する「ホワイト物流」推進運動の趣旨に賛同し、「ホワイト物流」推進運動事務局に自主行動宣言を提出しています。詳しくは以下をご覧ください。
●脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動「デコ活」への賛同
ベネッセホールディングスおよびベネッセコーポレーションは、環境省が推進する2050年カーボンニュートラルおよび2030年度削減目標の実現に向けて、国民・消費者の行動変容、ライフスタイル変革を強力に後押しするための「デコ活」に賛同し、自社の省エネ・省資源化のみならず、社員・スタッフへの環境教育の実施、子どもたちの発達段階に合わせた環境教育や環境情報の提供なども進めています。
●環境省「エコ・ファースト企業」に認定
ベネッセコーポレーションは、2024年4月10日、環境省の「エコ・ファースト企業制度」において、新たに「エコ・ファースト企業」に認定されました。
エコ・ファースト制度は、企業が環境大臣に対し、地球温暖化対策、廃棄物・リサイクル対策など、自らの環境保全に関する取り組みを約束し、その企業が、環境の分野において「先進的、独自的でかつ業界をリードする事業活動」を行っている企業(業界における環境先進企業)であることを、環境大臣が「エコ・ファースト企業」として認定する制度です。
詳しくは以下をご覧ください。
●気候変動イニシアティブ(JCI)に参加
ベネッセホールディングスは、パリ協定に整合する活動として「脱炭素化をめざす世界の最前線に日本から参加する」というJCIの宣言を支持しており、2021年4月19日に発表された「JCIメッセージ:パリ協定を実現する野心的な2030年目標を日本でも」にも賛同しております。自社においては、未来の子どもたちへ美しい地球環境を残すために、「パリ協定」および日本政府の脱炭素化政策を支持し、国の気候変動に関連する法規制であるエネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)や地球温暖化対策推進法を遵守するとともに、年1回、エネルギー使用量、省エネルギ―目標の達成状況、温室効果ガス排出量の報告書を行政に提出するなどの環境活動を行っています。さらに、同団体に沿った活動として、主要子会社であるベネッセコーポレーションのスコープ1・2を1.5℃目標に引き上げ(2021年12月末)、目標達成に向けた削減活動を継続するとともに、再エネ導入比率目標を2041年3月期:100%に据えました。脱炭素化を目指して同団体のセミナーや勉強会に積極的に参加し、得られた情報を自社の取り組みに反映するとともに、加盟する企業、自治体、団体、 NGOなどにおける先進事例や技術の活用を検討しています。これらを含めたベネッセホールディングスの活動実績はJCIのウェブサイトにてご確認いただけます。
今後もJCIに加盟する各ステークホルダーの皆さまと協力し、脱炭素社会の実現にむけて積極的に政策提言を行っていきます。
ベネッセホールディングスは各拠点において、気候変動やエネルギー使用量削減などに関する法律や規制(国内の場合は「地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)」や「エネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)」など)や政策などを支持し、これらへの対応を適切に行っています。
また主要子会社であるベネッセコーポレーションは、日本政府が掲げる、カーボンニュートラルにいち早く移行するための挑戦を行う経済産業省の「GXリーグ基本構想」に賛同表明し、GXリーグの活動に参画しています。特にこの活動の1つである2050年カーボンニュートラルな未来社会像を策定する活動にも参画しています。
ベネッセコーポレーションが提供する進研ゼミでは、開講より紙を使った教材を提供してまいりましたが、1999年にインターネットを利用した『進研ゼミ中二講座チャレンジネットコース』を開講。以来、お客さまの一人ひとりのニーズに寄り添うデジタル教材を提供してきました。現在提供している「チャレンジタッチ」では、デジタルの特性を活かし、毎日の進み具合、目指す学力、学習量、教科書のタイプなど、お子さまの学習データを分析して、個別カリキュラムを提案し、学習効果の向上に寄与しています。近年はデジタル教材を選択される比率が上がっていることにより、紙資源の削減につながっています。2024年4月現在のデジタル講座の比率は『小学講座』『中学講座』で約7割となっています。また、従来郵送で対応していた「赤ペン先生の問題」の提出・返却をデジタル上で行えるため、期間の短縮と共に輸送時のCO2排出量削減にも貢献しています。また、チャレンジタッチにて提供するタブレットのリユース促進活動にも取り組んでいます。今後も子どもの学習効果を高めながら事業を通じ環境負荷削減へ貢献してまいります。
ベネッセコーポレーションがお届けするダイレクトメールで使用するフィルム封筒において、化石由来の素材の使用量を削減するために植物由来の原材料を導入しています。自社独自の基準を設け、該当の封筒にはバイオマスフィルムマークを掲載しています。
ベネッセコーポレーションがお届けする商品の発送用封筒において、生物由来の資源(バイオマス)を含むインキ を導入しています。導入に際しては、一般社団法人日本有機資源協会の規定に沿って、バイオマスマークを掲載しています。
環境省の「デコ活」に参加しクールビズやウォームビズの実践、空調や水道使用の細かな工夫や、照明のLED化を推進しています。ルール遵守の点検や、従業員および従業員のご家族を対象に環境川柳の募集を行い、社内へのよびかけに活用しています。
過年度のカーボンオフセット証書
各取り組みの詳細は以下をご覧ください。
「第 32 回オリンピック競技大会(2020/東京)、東京 2020 パラリンピック競技大会」の開催に先立ち、開会式・閉会式の開催での温室効果ガス排出量をオフセットするためのクレジットを東京都に提供しました。オフィス活動を通じて目標を上回る温室効果ガス削減を達成したことにより、クレジット提供を実現しました。
ベネッセの寄付量は719t-CO2、詳しい説明は以下のとおり。
https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/climate/large_scale/zc4d2020/index.html
保有していたクレジットを生み出した制度は以下のとおり。
https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/climate/large_scale/overview/index.html
ベネッセコーポレーションでは毎年たくさんのものを製作し、お客さまのもとへお届けしています。そのため全ての過程において、環境に配慮した活動になるように、調達・物流の観点から一貫して取り組んでいます。
たとえば教材の冊子を1つ作るのにも、無駄の少ない製品仕様への見直し、環境配慮型印刷用紙の積極調達の推進や、印刷部数の決定精度を向上させ処分を減らすなどの活動を、調達・物流の主幹部署と現場の担当者とが協働して活動を促進しています。社外に対しても、製作工場における環境への取り組みの評価や効率的な配送方法の再検討など、工程ごとにサプライヤーと協働して、環境への影響を考えています。
封入を担っているベネッセ・ロジスティクス・センターにおける取り組みの詳細は以下をご覧ください。
<こどもちゃれんじ>「進研ゼミ」などの商品・サービスの長距離輸送(500km以上)においてCO2排出量の少ない貨物鉄道輸送を積極的に使うモーダルシフトに取り組んでいます。長距離輸送の約6割以上を貨物鉄道輸送にしていることから、2020年3月に「エコレールマーク」認定企業に選ばれています。
トラック輸送から鉄道コンテナ輸送へ切り替えるためにはさまざまな工夫が必要です。
岡山の物流センターでは、コンテナが搬出口に横付けされ、積載してそのまま発送したり、スケジュール調整を行って鉄道コンテナでの輸送ができるようにしたりしています。さらに、輸送におけるエネルギー使用を削減するために、商品の送付パッケージを極力無駄のないよう設計したり、毎月運送会社様へ個数や容量予測を提供したりして、無駄のないコンテナやトラックの利用を進めています。
●ベネッセハウスのサステナビリティへの取り組み
ベネッセホールディングスと公益財団法人 福武財団は、現代アートや文化振興による「よい地域づくり」を推進。瀬戸内海の島々を舞台に「ベネッセアートサイト直島」と総称するアート活動を約30年にわたり展開しています。歴史や文化を活かし、新たに現代アートを持ち込みながら住民の方々との関わりを再生する活動が特徴的なベネッセアートサイト直島に毎年多くの方が訪問し、アート作品や瀬戸内の風景、地域の人々との触れ合いを通して「ベネッセ=よく生きる」を考える場所となっています。
ベネッセアートサイト直島にある「自然・建築・アートの共生」をコンセプトとした施設「ベネッセハウス」では、持続可能な社会の実現に貢献することを目指し、環境への配慮、健康・安全などの様々な項目においてサステナビリティを推進しています。
詳しい取り組みは以下よりご確認いただけます。
各教材・サービス・イベントなどをとおし、お子さまの発達段階に応じた環境教育サービスを提供し、気候変動への理解と、対策へのアクションを推進しています。また、従業員に対しては毎年オンラインによる環境研修を行っています。
各取り組みの詳細は以下をご覧ください。
最終更新日:2024年09月18日